明治維新後から5代にわたって続く老舗の菓子店「浜口福月堂」は、高知県野根に店を構え、一途に野根まんじゅうを作り続ける。自家製こし餡は、厳選した北海道十勝小豆100%を使ってざらめと共に炊き、愛情と根気と一緒に練り上げる。炊きあがっても直ぐには使わず糖分を落ち着かせるべくしばらく寝かせる。生地は小麦粉に四温糖に水など、安心な食材で作られる。これらの素材を手でよくこねて、純米酒でほんのり風味付けした生地であんを包み、ふっくらと蒸し上げる。限りなくうすい皮に、こし餡がしっかりと詰まっていて口にしたとたん「ほろっ」とほどけるような、軽く口当たりのよい、一口サイズのおまんじゅう。上品な甘さがお茶にぴったりで、お年寄りから子供まで親しまれている。